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語られない闇を語る

司法試験、大学受験、労働問題、社会問題などを中心に、あまり語られていない・語りつくされていない闇について語っていこうと思います。苦難と失敗から得た知見を曝け出していく予定です。

日本人がどんどん日本から脱出するとき

 現在の日本では、エリート会社員や優秀な学者、富裕層などを除くと日本を抜け出して海外に定住したり、外国で子どもを生活させたりする人はなかなかいません。

 しかし、近い将来、そういう人たちだけでなくもうちょっと普通の人が外国への移住を計画し、子どもを早いうちから外国で生活させ外国籍まで取得するという流れが進んでいくのではないかと個人的に危惧しているので、今回はその話をしたいと思います。

 

 

○日本の労働状況は正直よくない

 日本が落ち込んできていることはもはや説明の必要もないのでしょうが、一人当たりGDPでいうと今や世界26位まで下がっています。

 先進国ではない国の平均年収が急増する中、日本の平均年収はむしろ下がっており、都市単位で見ると給与で追いつかれているどころか追い抜かれてきているのが実態です。物価を考慮しても相対的に見て、日本はもはや世界トップクラスの豊かな国ではなくなってしまったと言ってしまってよいでしょう。

 日本には会社のため懸命に働く労働者が特に多いでしょうが、それなのに他国との対比で言うと思うようには稼げていない現実があるのです。

 

 それに、日本では安定性に欠き低賃金となる被差別的身分である非正規雇用は20代後半から50代前半まで約3割を占めています。男性でもリーマンショックの影響を受けた20代後半では約2割が非正規雇用です。

統計局ホームページ/統計Today No.97

 今後また経済危機が来ない保障はありませんし、現在は持ち直してきているとはいえ、将来の不安はぬぐえません。

 

 しかも、日本では長期休暇もなかなか取得できず、平均有休取得日数も少ないですし、残業時間の長い労働者の割合も多いので、稼ぎという点ではマシな正規雇用であっても幸せとは限りません。

 転職市場も他国と比べると育っていませんし、(一つの企業に勤め続けることが美徳と考えられ実際にそれが可能であった期間がある程度あったことから)転職を好ましくなく考える価値観も強いので、一つの企業にしばりつけられながら働かざるを得ない人も少なくありません。

 

 こういうことを見ていくと、日本での労働を巡る事情は他の先進国と比べてあまりよくないといえるでしょう。

 当然、他国でより良い条件で働けるのであれば働きたいと思うのが普通の考えです。

 

 

○海外への脱出思考が高まっていく

 現在の日本の状況が好ましくないという話を簡単にしましたが、今後日本では人口が減少しより国内市場は縮小していきます。

 企業が生き残りのためにさらに厳しい競争を強いられるようになる可能性はおそらく高いでしょうし、その影響を受けて、労働者も割の良い仕事を国内で見つけるのは難しくなってくる可能性が高いと思われます。

 

 それに日本は社会保障費の負担が重く財政の問題がありますし、財政危機や恐慌による波乱がある可能性も十分にあります。さすがに全国各地が夕張市のようになるほどの状況は予測しがたいでしょうが、国全体が強化版ギリシャになるおそれぐらいは十分にあるでしょう。

 

 また、日本国内ではどうしても選べる企業の数が限られてきますが、英語圏に選択肢を広げればその数はかなり増えてきます。なにせ第2言語まで含めると世界の4分の1は英語の話者なのですから、仕事の選択肢は大幅に広がります。日本がダメになっても、他国へ移ればいいのです。

 

 そのため、「田舎では仕事がないし、将来の希望ももちづらい」ということで都会に出てくる人が多いように、今後は「日本で良い仕事がなく将来も不安なので海外へ出よう」と言う人が大幅に増えていくのではないでしょうか。

 

 

○韓国のように優秀層は海外へ

 今まではなんだかんだで日本でも良い生活を期待できていましたが、今後の日本はどんどん先進国以外に追いつかれ 、先進国から離されていくおそれがあります。

 そのため、本格的に日本以外での就職を志す人は増えてくるでしょうし、今まで以上に英語の教育に力を入れる親が増えてくるでしょう。

 

 日本語と英語は様々な要素がかけ離れていることもあり、日本人はなかなか英語を取得できませんが、それでも優秀な人は英語ができますし、英語以外を犠牲にして英語教育をしたり、日本語を犠牲にしてしまえばそこまで優秀でない人も英語ができるようになるでしょう。

 

 そのため、優秀層は勿論のこと、一部の限られたエリート以外の人でも、韓国のように国外へ抜け出していくのではないでしょうか。

 そして、その日本を脱出した人の子が海外で暮らし、日本に戻ってこないという流れが加速していくのではないでしょうか。

 

 日本は韓国と違って兵役がないので、日本国籍を捨てることまではしないかもしれませんが、高いレベルの教育を受けて優秀と思われる層が日本で稼がないというのは、税収が大きく減る原因にもなりますし、国にとって大きな痛手になるおそれがあります。

 この20何年で日本は産業の空洞化が進んだと言われていますが、今度は人材の空洞化が進んでいってしまい、日本が丸ごと今の田舎みたいな末期状態になってしまうかもしれません。

 

 

 ノーベル賞を受賞した南部氏や中村氏は米国籍を取って米国で暮らしていますし、ソフトバンクでリハビリ生活をしている松坂選手の妻子も米国暮らしをしているので、今の時点でもエリート層やセレブは日本を捨て他国に移っているわけですが、今後はもっと普通に近い人たちが同じように他国へ移っていく現象が進んでいくのではないでしょうか。

 それで日本が安泰でいられるのか私は知りません。