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語られない闇を語る

司法試験、大学受験、労働問題、社会問題などを中心に、あまり語られていない・語りつくされていない闇について語っていこうと思います。苦難と失敗から得た知見を曝け出していく予定です。

文系・理系でひとくくりにする大雑把にもほどがある議論はやめよう

社会

 今も昔も高校時の文理選択は人生の大きな岐路ですが、日本では、大学入学後はもちろん、卒業後ですら文系か理系かという分類で物事が語られることが少なくありません。

 しかし、そんな文系か理系かの2分割で物事を考える思考方法は、あまりにも合理性がないガバガバだという話をしたいと思います。

 

 

○一言に文系・理系と言ってもあまりに範囲が広すぎる

 例えば、文系学部といっても、法学部、経済学部、経営学部、社会学部、教育学部、文学部、国際何とか学部といったようにいろんな学部がありますし、さらに法学部の中には法律学科と政治学科があるなど学科まで見てみるとさらに細分化されます。

 また、工学部を考えてみると、建築学科、物理工学科、電気電子工学科、情報学科といった細かい分類がなされており、それぞれ専攻によってやることも当然違います。

 

 同じ学部ですらやることはかなり違ってくるわけなので、ましてや学部が変われば話は全然違ってきます。研究する対象も方法もまるで違うものになることも多いでしょう。

 一言に文系学部、理系学部といってもやってることが全く違いますし、学生がどう学ぶのかもまるで違います。それなのに、それをひとくくりにして物事を語っても的外れなことを言うのがオチではないでしょうか。

 スポーツでいえば、「球技とそれ以外!」というような大雑把すぎる分類をするようなものだと個人的には感じます。

 

 

○社会科学と人文科学すら分けて考えないのはいくらなんでも暴挙では?

 それに、文系と言っても、法律や経済などの社会科学と文学などの人文科学では、そもそも研究対象が社会と人間で違いますし、だいぶ性質が異なります。

 自然を研究対象するものと、社会を研究対象とするものを分けて考えるのであれば、同じく社会科学と人文科学も対象が違う以上分けて考えないとまずいのではないでしょうか。

 

 学問をとんでもなく大雑把にまとめる分類方法が、自然科学、社会科学、人文科学という3分類なのに、それをさらに大雑把にとらえるのはもはや狂った所業ではないかと個人的には思います。

 

 

○厳密に考えていくと文理の分類が非常に難しい

 受験だけ見ると文理の区別は比較的しやすいですが、それでも理科系科目で経済学部を受験できるとする大学もありますし、文系理系どちらの受験科目でも選択可能とする学部もあるので、「文系理系のどっちなのかわからなくなってきた」といいたくなるものはいくつかあります。

 そもそも総合人間なんとかといったように、研究対象が広く、横断的であり、単純に自然科学や社会科学といった分類をするのが難しく、文系理系の区別もしづらい学部も近年では珍しくありません。

 

 また、心理学は一応文系扱いされることが多いですが、脳科学に関係する部分も大きく自然科学的な側面も強いです。実際に医学部で心理学に関する研究をする場合もありますし、海外ではむしろ自然科学という位置づけをするところが多いと思います。

 それに哲学などは、どの分野を研究するにしても関わってくるところがありますし(法学にも法哲学という分野がある)、しっかり研究していることを見てみると、哲学といっても一概に人文科学であって文系と言い切れない場合があります。

 それに法医学みたいに複数の分野が重なったものもありますし、自然科学と社会科学両方の側面をもつ分野も少なくありません。

 学部単位でなくさらに踏み込んで何をやっているかを見てみると、文系理系の区分がますます困難になってきます。

 

 単純に高校時代に何を学習していたかで文系・理系を決めてしまうと、実際に大学でやったいたのは理系的なことなのに文系扱いされるといった事態も起こりえます。

 そういう人を果たして文系として取り扱うのが正しいのかは怪しいところです。 

 

 

○大学のレベルによっても世界が全く違うものになる

 世の中には、「文系は勉強せず遊んでばかり」、「理系は論理的だけど文系はそうじゃない」、「文系はそもそも社会に役立ってない」みたいな大雑把すぎる意見が横行していますが、実際には大学のレベルによってどんな状態なのかはまるで違います。

(法律や会計が社会に役立っていないわけがないですし、最後の意見はさすがに頭がおかしすぎると思う)

 

 例えば、一定以上のレベルの大学の法学部の学生であれば、そこそこ勉強しないとそもそも単位が取れず4年で卒業できませんし、司法試験や公務員試験に向けて修行僧のように勉強している学生がごろごろいます。

 それに、そういった大学の学生は論理的に物事を考え話す人が多いですし、法律という論理的整合性を極めて重視する学問の性質上、数学科と肩を並べるぐらい論理性を磨いている人が多いです。

 高校時代も、そこら辺の理系の学生よりも遥かに数学ができた人が多いですし、大学入学までの努力もすさまじいものがあります。

 

 しかし、そうでない法学部の学生はまさに社会でよく言われているような状況です。というか偏差値が低いと文系だろうが理系だろうが勉強しませんし、理系だから勉強していて賢いなんてことは全くないのです。理系だろうが驚くほど努力しませんし、高校レベルの学習はもちろんのこと漢字すら怪しい人がごろごろいます。

 同じ学部であっても、大学によって学生、卒業生がどんな人なのかはまるで違いますので、大学のレベルを考えて物事を語らないと、「こいつ何言ってるんだ」という的外れな意見になってしまいます。

 

 

○さいごに

 世の中には大雑把すぎる考えのもと大雑把すぎることをいう人が極めて多いですが、文系理系という二分で物事を考えるガバガバすぎる思考はツッコミどころがあまりに多すぎます。

 そういう考えをしている人はこれを機にやめましょう。