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語られない闇を語る

司法試験、大学受験、労働問題、社会問題などを中心に、あまり語られていない・語りつくされていない闇について語っていこうと思います。苦難と失敗から得た知見を曝け出していく予定です。

何故、ひたすら知識と理解を深めていく勉強法は上手くいかないのか

 司法試験の定説として、「学説の深みにはまりだすと受からなくなる」、「知識や理解ばかりを追い求めていくと受からなくなる」というものがあります。

 司法試験の世界に入ったことがない人からすると、「知識や理解が深まれば自然と合格が近づくのでは?」と思いがちだと思いますし、何故受からなくなったり合格が大幅に遅れたりするのか説明してくれる人があまりいないので、個人的にこれだと思う理由を書きたいと思います。

 

 

1.試験に求められていないことを学んでも点に結びつきにくい

 大学入試でも「マニアックなところに走りすぎるな」という助言が多く聞かれますが、何故やたらと知識や理解を積み重ねていくとまずいかというと、何といっても試験に出ないからです。

 

 いくら真面目に学習して、学者としての素養を伸ばし、試験で出ないような高度すぎる難解なことについて力を伸ばしたとしても、結局試験は点取りゲームなので点にはあまり結びつきません(一応試験で出題されるところの知識や理解も少しは深まるので、多少は結果が良くなるでしょうが。)。

 試験対策という意味では、あくまで試験に出る範囲内で問題をしっかりとけるようにすることこそが大事であり、それを超える学習をしてもあまり意味がないのです。

 

 上位ローの講義が「司法試験にあまり役に立たない」といわれがちなのもこのことが理由です。勿論、知っといて損がないことや、試験を解くうえで直接は役立たなくても間接的には役立つこともあるので一概には言えないのですが、あまりに高度すぎて試験に役立ちにくいことに力を入れすぎていてもコストパフォーマンスはすごく悪いのです。

 

 

2.真の弱点を克服できないままになる

 難関試験ともなると、知識や理解がある程度なければ話にならないので、当然知識や理解は大事なのですが、それさえあれば上手くいくほど司法試験は易しくありません。

 実際には、どれだけ正確かつ迅速に判例の規範を書き出せるか・論拠を述べられるか、どれだけ的確かつ迅速に事実を抽出し評価を下せるか、どれだけ全体を上手くまとめられるか、どれだけ時間内にバランスよく書けるか、どれだけくだらないミスを減らせるかといった能力なども大事であり、弱点がどこにあるかは人によって違います。

 

 自分は「知識や理解が足りない」と思っていても、実際にはそれだけが問題ではなく、他の点でも問題を抱えていることがほとんどでしょうし、他の問題もしっかり解決しないと思うような結果が出るわけがないのです。

 ただ知識や理解を深めることばかりに力点を置くと、どうしても真の問題点が解決されないままで終わりがちになり、結果的に泥沼に入りがちになるのです。

 

 あまりはっきりとは言われないことですが、私としては一番の問題点がまさにこれだと思います。

 近年は司法試験の世界でも、「敗因分析こそが大事だ」という認識が今まで以上に広まってきましたが、それはまさにここの問題点こそが特に重要と気づく人が増えたからです。真の弱点克服にこそ力を入れないといけないのです。

 

 

 

3.知識や理解を正確かつ迅速に使いこなす能力こそが大事

 2とも重なることですが、司法試験などの難関試験では、十分な知識や理解があることを前提として(その前提を満たすだけでも大変すぎるので勘違いしがち)、それをいかに使いこなせるかが問われています。

 ただ、知識や理解を培うだけではなく、それらを発揮してしっかりとした答案を作成しなければなりません。知識や理解をどれだけ正確かつ迅速に駆使することができるかが大事になってくるのです。

 

 そのため、どれだけ短時間で正確にその問題に応じて論証を書き出すことができるのか、どれだけ短時間で的確に事実を検討し評価を下すのかといった能力を磨く必要があるのです。

 ただ、知識や理解を入れ込むだけではダメですし、十分程度を遥かに超えて知識や理解を入れ込んでも上のような能力を培えなければ宝の持ち腐れです。

 

 味気ない言い方になりますが、受験生としては学者が身に着けるような高度すぎる知識や理解を培うのではなく、一定程度の知識や理解を元にいかに試験で点を取れる答案を書けるかが大事であり、いかに正確に早くうまく答案を作成できるかの訓練をすべきなのです。

 

 

4.おわりに

 一言「学説にはまったらアカン」みたいなことをおっしゃる先人は多いですが、なぜダメなのか詳しく述べるとこんな感じになります。

 司法試験などの難関試験は、アプローチ方法を間違えなくても泥沼に入りがちなので、ましてや大事なことを見誤ると大変なことになります。

 なので、私のような大失敗を経験した人の話は、しっかり聞いておくとよいと思いますよ(ステマ)。