読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

語られない闇を語る

司法試験、大学受験、労働問題、社会問題などを中心に、あまり語られていない・語りつくされていない闇について語っていこうと思います。苦難と失敗から得た知見を曝け出していく予定です。

大学授業料の高さが思い切り少子化に繋がっている気がしてならない

 近年、日本の大学の授業料の高さが問題視されることが増え、授業料が大きな負担となっている学生が少なくないという現実が広く知られるようになってきました。

 私も中国人ばかりが暮らすアパートで生活保護ラインを下回る大学生活を送っていましたが、明らかに授業料の負担が重いという感覚がありますし、授業料の負担の重さが明らかに結婚・出産を遠ざけている要因になっている気しかしていません。

 そこで、大学授業料の高さが少子化に繋がっているとしか思えないという話をしたいと思います。

 

 

1.授業料負担の重さを再確認

 年配の方だと今授業料がどうなっているのか把握していない人も少なくないでしょうが、今では国立大学の授業料が年間約54万円まで増えていて、四半世紀前に比べ約15万円も上がっています。※1

 しかも、今後はさらに授業料が上げられる見込みであり、15年後には100万円近くになるとの試算も出されています。※2

 

 学費は上がる傾向なのに賃金は増えていないため、学費ローンの受給率も高まっており、現在では大学生の約半分が借金を背負って大学生活を送っている状態です。※3

 仕送りも年々減少傾向にあり※4、今の大学生はかなり金銭的に問題を抱えている人の割合が増えているものと思われます。

 平たく言えば、貧しい大学生活を送り多額の借金持ちで社会人生活がスタートする人が急増したのです。

 

 月5万円でも4年間借りれば、240万になりそこから利息(複利)がかかってくるわけで、15年で返そうと思えば毎月約1万5千円もの負担となります。※5

 ただでさえ平均賃金が伸びていませんし、年功序列も崩壊してきているので歳を重ねてもかつてほど賃金が伸びることが期待できません。そして、終身雇用も崩壊してきていて不安定な職も増えているので将来の不安が強く、そのうえでのこの負担なので正直経済的負担はかなり重いです。

 多額の借金はストレス要因ですし、ブラック企業に入社しても辞めるにやめられない状況となってしまい逃げ場がなくなるため、ただ金銭負担が重いというだけでなく、精神的な負荷も大きいものとなっています。

 

 

2.今の若者は娯楽費が少ない、他人のためにお金を使う気になれなくても当然

 ここ10年ほどで嫌と言うほど「若者の○○離れ」という言葉が濫用されましたが、実際には金銭が若者から離れているのが実態であり、例えば良き社会生活を送るうえで必要な食費が四半世紀前に比べ3割も減少しており、娯楽の中でも優先順位が高いだろう「被服及び履物」の出費も6割減少しています。※6

 よき社会生活を送る上で特に大事そうな出費まで大幅に減少しているわけで、質素な暮らしをせざるを得なくなっている若い人の割合はかなり増えているのです。

 

 食べるものや着るものすらお金をかけられない、自由にお金をつかいづらいのが現状なわけで、ましてや他人のために積極的にお金を使おうという気にはなれません。

 現在では恋愛も娯楽の一つという要素が強いですし、お金も労力もかけないといけずだからといって見返りがあるかは怪しくコスパの悪そうな恋愛に消極的になるのは当然のことです。

 

 ましてやもっとお金が消えていく婚活や結婚には消極的になっても仕方がないでしょう。

 特に養われることがまずなく養う側の立場となる男性にはその傾向が顕著に出ていると思います。草食系になるのも金も精神的余裕もないから仕方がないのです。

 

 

3.無理して子供をもつべきでないとの考えが強まっている

 今の若い人(特に20代)というのは、物心ついたときから不景気を経験しており、失われた20年以上の中生活をしていて、さらにリーマンショックで大企業勤務だろうが人生は安泰ではないと痛感した世代なので、将来を悲観している人が特に多いと思います。

 さらに格差社会を痛感しているので、まともな人ほど「自分の子どもには、安定してかつ良い賃金をもらえる可能性が高くなる大学進学のチャンスを与えなければならない」、「自分の子どもを底辺層に行かせるリスクは極力減らさないといけない」という思いは強いです。

 

 また、昔と違って「誰でもとにかく子供を産むべき」という命題が疑問視されていますし、「まともな教育環境を整えることができて立派に育てられるなら子供を産めばいいけど、そうでないなら子供がかわいそうだから産まない方がいい」という考えも強まってきています。

 私なんかもまさに「幸福にできる自信・見込みがなければ、子供なんて産むべきでない」との考えの人間ですし、言葉は悪いですが「貧乏人は(子どもが可哀相だから)子どもを産むな」との考えに賛同している人が多い印象です。

 

 そんなわけで、経済的精神的余裕のあまりないうちには結婚、出産をしなくなり、その結果余裕が出てくる頃には婚期を逃していて結婚しなくなったり、出産まで行っても数が限られてきたりするのです。

 それにそもそも結局余裕が出てこないケースも多いでしょう。

 

 

4.まとめ

 要するに、

 大学授業料の負担が重い

→自分ひとりですら生活が厳しい。学生時代もその後も経済的精神的余裕がない

→今、結婚し子どもをもったところで良質な教育環境を整えるのが困難

→今は結婚して子どもをもつべきでない

→後に余裕がでてきたとしても、そのときにはもう遅い。子供を産むにしても数が限られる。

 という流れがある気がしてならないです。

 

 「学費負担は自己責任」という風潮が日本には強いのですが、自己責任とばかりとか言っていたら「ろくに結婚できず子供も産めない社会が滅ぶのも自己責任」、「そんな社会では少子化により社会保障が崩壊したとしても、そんな社会を作り出した老人の自己責任」という話になり、ますます少子化問題は深刻化するのではないでしょうか。

 

 

※1:70年近くに渡る大学授業料の推移をグラフ化してみる(2016年)(最新) - ガベージニュース

※2:国立大授業料、54万円が93万円に 2031年度試算:朝日新聞デジタル

※3:大学生の奨学金受給者率推移をグラフ化してみる(2016年)(最新) - ガベージニュース

※4:首都圏私大生の月平均の仕送り額、9万1300円で過去最低額を更新 | マイナビニュース

※5:奨学金返済シミュレーション/返済額,利率,方法,期間をイメージしよう!【奨学金なるほど相談所】

※6:若年層の消費実態(2)-食料費や被服費の減少と住居費の増加、薄まる消費内容の性差 | ニッセイ基礎研究所