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語られない闇を語る

司法試験、大学受験、労働問題、社会問題などを中心に、あまり語られていない・語りつくされていない闇について語っていこうと思います。苦難と失敗から得た知見を曝け出していく予定です。

国家公務員の冬のボーナス増加はそんなに批判されるべきことなのだろうか

 民間企業の業績が回復傾向にあり、賞与の額も改善してきていることもあって、今年の国家公務員の冬のボーナスも増加しました。


 このニュースに対し、案の定ネットではバッシングのコメントが大量に出ていますが、そのことについて個人的に思うことを書きたいと思います。

 

 

○民間の給与が下がったときは給与額が下がるのだから、民間の給与が上がったときは上げてよいのでは?

 国家公務員の給与は、その時々の景気の動向などを反映している民間の給与に合わせて計算されているため※1、リーマンショックの時のように民間の給与が下がれば当然下がります。

 本来、国家公務員の職務と民間企業の業績の関係性は薄いわけですが、それでも民間企業が苦しんでいるときは連帯責任のようにともに苦しみを味わうわけです。

 

 業績が変わったわけでも業務内容が変わったわけでもなく、業務量が減っていないのに民間の給与に合わせて給与が減らされることを考えたら、逆に民間の給与が上がったときは喜びも分かち合い給与を上げて良いのではないかと個人的には思います。

 

 特に今年は大手企業は過去最高のボーナス額になっていますし※2、さすがに今ぐらい上げても良いのでないでしょうか。

 今後、またリーマンショックみたいな事態が起きたときには、国家公務員の給与もどんと下げればいいわけですしね。

 

 

○とりあえず叩きやすい立場にある人を叩きたいだけでは?

 お金持ちや美人のような恵まれた者というのは、とにかく何かにつけて叩かれるものですが、公務員も実態以上に恵まれた立場の人間と思われている節があります。

 実際には、20代なんて給与は下げ止まり感が強く二馬力じゃないとキツイなんて話がよく出回っていますし、大企業と比べると賃金や手当も大きく見劣りし、残業代も出し放題なんてこともあるわけがないわけですが、そんな事実などお構いなしに恵まれた公務員像を勝手に妄想して叩きだす人が世の中には多いのです。

 

 何か合理的な理由があって「こうしろああしろ」と言うなら理解できますが、そうでもないのに一部の職業の人に対して合理性もないだろうただのバッシングを行うのは、もはやただのいじめみたいなものではないでしょうか。

 給与を下げろというのであれば、ただバッシングするのではなく具体的で合理的な理由をつけて主張をするべきでしょう。

 というか、「公務員の給与を下げろ」ではなく、「(自分達の)給与を上げろ」と言い出すのが健全な形ではないでしょうか。 

 

 

○ある程度の給与を出すべき理由がある

 「民間企業ではボーナスをもらえない人もいるのに云々」という人も多いですが、官製ブラックを今以上に広めるべきではないですし、基準をブラック企業に合わせてどうするんだという話です。

 公務員すらろくに結婚できずに、子どもも持てないなんて事態になれば少子化はさらに深刻化するでしょうし、いよいよ日本も終わりでしょう。

 

 それにもし底辺基準に給与をあわせてしまうと、優秀な人材がこぞって民間企業に流れることは間違いないですし、学も無く努力もしないおよそ国の基幹を担うにふさわしくないだろう人間ばかりが国家公務員になってしまうことでしょう。

 民間企業にろくでもない人材が集まったとしてもその会社がダメになるだけですが、国家公務員にろくでもない人ばかりが集まって国や省庁がダメになってしまうのはリスクがあまりに甚大です。

 「まともな人にこそ国の組織を任せたい」と思う人は私だけではないでしょうし、ある程度の給与は保障しないとまずいでしょう。

 

 そもそも国家公務員の平均学力、出身大学の平均レベルの高さ、一定程度の倍率を潜り抜けるコミュニケーション力などを見れば、同じような能力を持って民間企業へ就職した同級生はもっと稼いでいるわけです。

 給与の算定基準の参考とする対象は、本来有名企業だけであってもいいかもしれないのに、Fラン大卒の人なんかも大量にいる民間企業も踏まえて給与を下げているところがあるわけで、就職した人の属性を見るとむしろ給与の額はもっと上げてもいいぐらいではないかと思います。

 特に多忙を極める官僚や、国・社会を守る立場にあり日々厳しい訓練をしている自衛隊などにはもっと給与を出して然るべきではないかと思います。

 

 

○「俺が金を出しているのだから何をやってもいいだろ」と思っていないか?

 自分たちが税金を出しているから自分たちの意のままに待遇も決めさせろといわんばかりの人が世の中には多いですが、「金を出しているから俺の言うことはすべて聞け」というのは、モラハラDV夫(父)やブラック企業の経営者の考えそのものでしょう。自分の父親を見ているようで吐き気がする限りだ。

 

 金を出していることを盾に何でもかんでも許されるわけがないですし、賃金と言うのは労働の対価なわけです。

 それなりの選抜を潜り抜けあえて民間企業への就職を断念して公務員になり、ちゃんと労働をしている人に対しては、それ相応の給与を出すべきではないでしょうか。

 勿論ちゃんと働いてないような人には批判をして然るべきですが、多くの人は真面目に働いているでしょうし、そんな人にまでバッシングをするべきではないでしょう。

 

 

 ぱっと思いつくことを挙げてみましたが、民間企業の賃金も上がりましたし、国家公務員はそれなりに厳しい選抜を抜けてきており比較対象は大企業勤務の人であるべきだと思うので、ボーナス増加も妥当だと思っています。

 個人的には、バッシングするにしても、コネがあったり、とりあえず女子学生ばかり取ったりするふざけた選考をしていることも少なくない地方公務員の方を叩けばいいのにと思いますが、例えば大阪市であれば大阪市民以外関係がない話ですし、どうしても叩きづらいんでしょうね。あ、私の給与は下げるなよ。

 

 私も国家公務員試験に何度も落ちていますが、とりあえずビール的な感覚で、とりあえず叩きやすい立場の人を叩くという卑劣さには嫌気がさしてならないです。

 

 

※1:おしえて!人事院

※2:冬のボーナスが過去最高=大手企業、4年連続増-経団連:時事ドットコム